半年ぶりです。
いつもの事ながらなかなかこちらの更新も滞ってしまい、ご無沙汰しておりました。
政局も不穏な空気が流れており、今後の日本はどうなるのかわからない状況ですが、マグロ業界も色々大変な事態に直面しております。
まずは来年の4月から、太平洋生鮮クロマグロが水産流通適正化法に追加されます。
これはアワビ、ナマコに次ぐ追加品目となり、太平洋で捕獲された生のマグロを一本、またはドレス(頭のみとった状態)で販売する場合には
トレースが可能なように手続きを取って販売しなければならなくなりました。
こちらの措置は一般消費者にはあまり関係の無いものですが、後を絶たない闇マグロの流通や、産地偽装などに対する措置となります。
真面目にやっている業者には大変面倒なことですが、少しでも正規流通に寄与できるよう、業界一致して遂行しなければならない案件です。
もう一つ大変なこと。
魚が高くなってきました。
昨今の人件費や燃料の値上げの中、マグロの生産者(漁師さん)も採算面で大変な事態です。
そんな状況を反映して、市場に並ぶ魚も徐々に変化しています。
まずは冷凍メバチ。こちらは脂物がほぼ皆無で、身どりの良い赤身商材も取り合い相場になってきました。
冷凍本鮪や冷凍インドマグロに関しては、先程お話しした採算ベースに乗せるため、川上で売れる物は豊洲には上場されずに、市場外で加工流通してしまっています。
豊洲には豊洲で値段が安定的に取れる魚、つまりは同じような価格帯の魚しか並ばない状況になってきました。
極上品や安い加工商材は、基本的に市場外の方が高く売れる為に、市場には並ばないのです。
今後年末を迎えるにあたり、安い加工商材をお求めのお客様には、値上げのお知らせをしなくてはならなくなります。
極上品をお求めのお客様には、価格帯の中でできるだけ質の高い物を随時ご提案させて頂きたいと思います。


こちらはアイルランド本鮪の腹。
同じような価格帯でも差異はあります。
そうした細やかなご希望をお伺いしながら、お客様のお使いになる魚を探してまいりたいと思っております。
しかしながら腹1丁38.0kg…冷凍庫にしまう際には腰がやばいことになりそうでした。


こちらは最近仕入れた123.3kgのアイルランド本鮪ですが、MELマークが貼られております。
マリンエコラベル。
持続可能的な漁業を行う船主さんが取得して、上場された魚に貼って競りにかけられておりました。
最近はこうした取り組みも社会的に評価されるようになってきましたね。
いつまでも市場や仲卸、そして何よりマグロに携わる日本文化の担い手である、お客様のご商売が持続発展いたしますように頑張るばかりです。
愚痴が多くなりましたが、長文駄文にお付き合い頂き、ありがとうございます。
良い年末商戦になることを願っております。
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会社概要
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会社名:豊洲市場の冷凍マグロの仲卸 有限会社 中茂(ナカモ)
公式HP:https://www.toyosu-nakamo.com/
電話番号:03-6633-4646
所在地:東京都江東区豊洲6-5-1 豊洲市場 水産仲卸売場棟内 ハ-82
営業時間:5:00~12:00定休日:日曜日・水曜日・祝日(市場の休みに準ず)